奈半利の名を全国に知らしめた「奈半利米」とは

「米どころ」といえば、東北地方などの少し涼しい地域を思い浮かべることだろう。だが、奈半利町の名を全国に知らしめたのは、驚くことに、ふるさと納税の返礼品「奈半利米」だった。返礼品に並ぶとほぼ同時に品切れになってしまう、奈半利米の人気は何か。その秘密を追った。

 

奈半利町は、良いお米が育つ環境

奈半利町の北東部にある米ヶ岡地区。最近では米ヶ岡鶏の生産も盛んな地区だが、江戸時代の歌人・川村与惣太の「校注 土佐一覧記」によると、米ヶ岡というその地名の由来は、この地区で獲れる米が上質で、藩主の食膳に上げたことだと記されている。

では、おいしいお米ができる条件とはいったい何か。
一般的に、おいしいお米ができる条件は、天候が良くて昼夜の気温差が大きく、水が豊富にあって、土壌が優れていることだと言われている。
米ヶ岡地区をはじめとする奈半利町は、野根山山系のおいしい豊かな水、山間部ならではの昼夜の気温差、水はけのよい土。おいしいお米を作るための条件がしっかり揃っている。

 

奈半利のお米は「コシヒカリ」と「ヒノヒカリ」

奈半利町では、主に「コシヒカリ」と「ヒノヒカリ」の2つの品種を栽培している。

喉ごしが良い「コシヒカリ」

「コシヒカリ」は、日本で最も多く生産されている品種で、言わずと知れた美味しいお米。粘りが強く弾力があり、口に入れたときに広がる強い香り。粘りと旨みのバランスが絶妙で、炊きあがったお米の美しい光沢感や、冷めてもおいしいことが特徴だ。
奈半利のコシヒカリは、一般的なコシヒカリに比べると、粒が細く、サラッとしているため喉ごしが良く、粘りや甘みが残りにくい軽い味わい。朝ごはんや、冷たいおかずとの相性が良いと、五つ星お米マイスターの西島豊造氏は評価する。

甘さが持続する「ヒノヒカリ」

一方の「ヒノヒカリ」は、九州地方を中心に、主に西日本で生産されている品種で、コシヒカリと黄金晴を掛け合わせたものであることから、一般的にはコシヒカリ同様に良質な味わいが特徴だが、コシヒカリほど味の主張が強すぎず、粘りも強すぎない。小粒ながらも厚みがあるため、食べ応えが良く、コストもお手頃だ。
奈半利のヒノヒカリは、炊きあがったお米は粘りが強そうに見えるが、箸で運ぶと軽くて、口に含むとキレが良い、食べやすいお米。徐々に甘みが広がって、甘みが続くお米なので、生姜焼きや明太子など、お子さまが好きそうなおかずに合う。

 

奈半利米をさらにおいしく食べる方法

前出の西島氏によると、「お米は、研ぎ方とほぐし方でおいしさが変わる」という。そこで、西島氏においしい研ぎ方とほぐし方をそれぞれ教えてもらった。

おいしいごはんが炊ける研ぎ方

 

  1. カップで正確に分量を量ったら、お米の入ったボウルに水を注ぎ、お米を2回すすぐ。軽くかき回して、にごり水を捨てる。(ここではお米を研がない)
  2. 手のひらサイズのボールを持つように指を広げ、その手の形でお米に指を差し込み、20回摩擦で研ぐ。シャカシャカとリズミカルに。お米の摩擦で汚れを落とす。
  3. お米を2回すすぐ。ⅰと同様に、研がずに軽くかき回して、にごり水を捨てる。
  4. ⅱと同様、今度は10回摩擦で研ぐ。
  5. ⅲと同様に、お米を2回すすぐ。
  6.  ボウルにゆっくりと水をそそぎ、水がほとんどにごらなければ完成。

 

お米を研ぐ際にざるを使う方も多いが、奈半利米はお米の表面が特に柔らかいので、ざるで研ぐとお米のおいしさまでも無くしてしまう。ボウルでやさしく研ぐことがポイントだ。

ごはんをおいしくするほぐし方

 

  1. 炊きあがったら、炊飯器のふたを開けて、蒸気を飛ばす。
  2. しゃもじでごはんを十字に切る。しゃもじを底まで差し込んで、そのまま引っ張りながら十字に切る。押し込みながら切るのはNG。お米が潰れてしまう。
  3. 十字に切ったうちの1/4を残りの3/4の上に乗せ、乗せたかたまりを、一粒一粒を切り離して、お米とお米の間に空気を入れる感覚でほぐす。
  4. 残りの3/4も、1/4ずつ残りのお米の上に乗せてほぐす。

 

上手にほぐすと、一粒一粒のお米の表面に水分の保水膜ができる。この保水膜ができると、ごはんのみずみずしさやつや、粘りと旨味が閉じ込められる。こねるとお米がくっついてのりのようになってしまうので、ひらひらとやさしく切り離すイメージでほぐすと良いという。

 

平成30年産の奈半利米もほぼ完売。追加で返礼品が並んだ際には、ぜひお試しいただきたい。

 

奈半利米×五つ星お米マイスター おいしさの秘密https://furusato-nahari.com/features/nahari-rice/