奈半利で獲れる、ふくよかでみずみずしい野菜を届けたい

なすやきゅうり、ピーマン、ニンジンなどの、普段よく使う野菜がセットになって毎月少しずつ届く「野菜の詰め合わせ」は、産地直送の新鮮な野菜が届くことから、ふるさと納税の人気の返礼品だ。

奈半利町の豊かな自然のなかで生産された、獲れたての旬野菜が直送される

ここのところ、野菜の宅配サービスを使う人が増えている。無農薬野菜や有機野菜のセットや珍しい野菜などが、産地や生産者、調理法を紹介するリーフレットとともに送られてくるサービスが多く、安全でおいしい野菜を選びたい人や、共働きの夫婦、スーパーが近くにない人などに人気だという。
野菜の宅配サービスは、ふるさと納税の仕組みにもぴったりマッチすることから、多くの自治体が野菜の詰め合わせを返礼品として並べている。
高知県奈半利町もそのひとつだ。奈半利町で生産された旬の野菜の獲れたてを返礼品として全国にお返ししている。

奈半利町は高知県の南東部、室戸岬のある室戸市の隣に位置する。南国土佐の温暖な気候、豊かな自然が作り出す新鮮な空気、豊富な水資源。野菜作りにはぴったりな土地だ。奈半利町で収穫される野菜は、どれもふっくらとしていてツヤがあり、味も濃厚だと評判だ。また、新鮮な獲れたての野菜を産地から直送しているため、長持ちする。

農業後継者不足が深刻な問題に。
百石地区の有志が立ち上がった

口コミでも評価の高い、質の良い野菜を作ることができる奈半利町だが、実は深刻な問題を抱えている。それは、農業後継者不足、耕作放棄地の増加だ。
奈半利町は少子高齢化が進む町だ。人口約3,300人ほどの町の4割以上が65歳以上で、今後も高齢化が加速すると言われている。以前は青々と農作物が育っていた場所が、農業者が不在になり放棄される、高齢のため農作をしたくてもできなくなった、といったことが増えてきた。
奈半利町の中心地からほんの少し北東に進んだところにある百石(ひゃっこく)地区。この地域も耕作放棄地が例に倣って増えていたが、農地を守るために有志が集い、「百石ファーム」という組織を結成した。

百石ファームの田中 達夫さんは、
「私たちは百石地区の農地を守る目的からスタートしました。ふるさと納税で野菜を食べていただくようになり、みなさまから『おいしい』という声をいただくことが励みになっています。さらに質の良い、おいしい野菜を作っていきたいと思います」
と語る。

百石ファームでは、じゃがいもやにんにく、たまねぎなどを露地栽培する。中には、「バーチャル作付け」と称して、ふるさと納税の寄附者に栽培の様子や成長過程をメールで伝えて農業を疑似体験してもらい、収穫した農作物が返礼品として届くという新しい試みにもチャレンジした。

奈半利の恵まれた自然環境の中で育つ、ふくよかでみずみずしい野菜。そこには、農業後継者不足に悩む地域の課題解決のために立ち上がった有志の想いも詰まっている。