町の子どもたちにおいしいお菓子を。パウンドケーキが町にケーキ屋さんを作った

奈半利駅から北東に車で10分ほど。民家もまばらになり、田畑が広がる田園風景の一角に、絵本から飛び出したかのような白くて可愛らしい、新しい建物が佇む。こちらが、ふるさと納税人気ランキングで全国2位になった返礼品を製造している「気ままsweets甘音(あまね)」の店舗だ。
案内板がないとなかなかたどり着けなさそうなところに位置する洋菓子店だが、ふるさと納税での知名度だけでなく、メディアに取り上げられることも多いため、地元以外の場所からもその味を求めて多くの人が来店する。

ふるさと納税のおかげで、
町にケーキ屋さんができた!

「奈半利町にケーキ屋さんがなかったので、私も子どものころは、高知市内まで1時間半くらいかけてケーキを買いに行っていたんです。ふるさと納税でいろいろな方に注文していただいたおかげで、奈半利町にケーキ屋さんを作ることができました。子どもたちにおいしいお菓子をいっぱい食べてもらいたいです」
2017年5月にオープンしたまだ新しい店舗で、オーナーパティシエールの中島 沙織さんはきらきらした笑顔で話す。

「気ままsweets甘音(あまね)」は、田園風景の一角にある。絵本から飛び出したかのような白くて可愛らしい、新しい建物。

 

もともとは地元の人々を中心に、お誕生日のケーキやウエディングケーキのオーダーを受けて宅配販売していたが、ふるさと納税の返礼品を開発したことで店舗を構え、ようやく奈半利町にも念願のケーキ屋さんが誕生した。
店舗には、カットされたケーキや焼菓子が甘い香りを漂わせながら並び、特に、色鮮やかな旬のフルーツを使ったゼリーなどには目を奪われる。

奈半利町特産のイチジクや、こだわりの食材を使ったパウンドケーキは、人柄があらわれる素朴な味わい

奈半利町の返礼品には、奈半利町の特産品であるイチジクを使った「ドライフルーツのパウンドケーキ」と「紅茶としょうがのパウンドケーキ」、「焦がしバターの塩パウンドケーキ」、マドレーヌやクッキーをセットにした「洋菓子セット」が並ぶ。

「ドライフルーツのパウンドケーキ」は、イチジクの爽やかな風味とラム酒の甘苦い香りが絶妙だ。奈半利産のイチジクを丁寧にドライフルーツにし、それをたっぷりと生地に混ぜ込んで焼き上げる。焼き上がりにラム酒を塗りこむことで、イチジクの酸味が際立つ。返礼品では1本まるごと包装されているのだが、ケーキの上部にゴロゴロと並ぶドライフルーツが美しく、カットするのがもったいなく感じるほど。

「紅茶としょうがのパウンドケーキ」は、アールグレイの茶葉を使用している。ベルガモットの柑橘の香りをまとったアールグレイの茶葉は、しょうがのスパイシーさと、焼き上がりに塗り込むブランデーに良く合う。芳醇な香りと風味を楽しむことができる一方で、徹底的にこだわった小麦粉や砂糖などの原材料の素材の質の良さも感じられる逸品だ。

「焦がしバターの塩パウンドケーキ」は、素朴な味わいがくせになる一品。パウンドケーキの基本に忠実に、小麦粉、バター、砂糖、卵を同量ずつ混ぜ合わせる「カトルカール(quatre-quarts)」に、塩をふりかけ完成。焦がしバターの芳醇な味が塩でさらに引き立ち、シンプルな味わいながらも深みが感じられる。

ふるさと納税の寄附によって建てられた町民念願の洋菓子屋さん。手間を惜しまず丁寧に、愛情をこめて作られたケーキ、焼菓子が並ぶ店舗の外には、季節の花々も美しく植えられている。まさに「絵本の世界から飛び出したかわいいお菓子屋さん」という印象。子どもたちも楽しそうに訪れるこのお店、「将来ケーキ屋さんになりたい」という子どももたくさん現れそうだ。ふるさと納税が町の活力と夢を創り出している。